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福祉現場やものづくり現場、福祉関連施設やイベント等を訪問して皆さんにご紹介するページです。福祉の現場の声から、気づきやヒントを「コーディネータの視点」で汲み取り、福祉環境の改善へとつなぎます。
訪問日:2010年12月17日  訪問先:神奈川県立東部総合職業技術校(通称かなテクカレッジ)ケアワーカーコース

  高齢社会が急速に、確実に進行しています。老齢になると体力が低下し、足腰の運動機能のみならず、目や耳といった感覚機能も衰えます。体が健常なうちは感じられない老化による機能の低下、それを体感する装具が、神奈川県立東部総合職業技術校(通称かなテクカレッジ)ケアワーカーコース

にあると聞き、Jプロメンバーで体験してきました。かなテクカレッジは、工業技術・社会サービス・建築技術の訓練を実施する総合型の職業技術校で、ローカル線のようなのどかな風情の漂うJR鶴見線安善町駅前にありました。

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/06/1467/careworker.html

 

歩行トイレ膝やひじ、指を曲げ難くするサポーターや、体が前屈みになるように作られたコルセットを装着、さらに視野狭窄や白内障患者の 視界を再現させるゴーグルをつけて、校内の廊下や階段を歩きましたが、早く歩くことができないばかりか、階段の昇降は手すりにつかまらないと怖くてできません。和式トイレでは膝が曲がらず、用を足すことは不可能です。自動販売機で飲み物を買うのもひと苦労。思うように動かない手先でお財布から小銭を取り出し、投入するのに数分かかりました。食品の陳列棚では、文字の色と大きさや背景の色が同化して判読できなかったり、周囲の明るさによって商品がよく見えなかったりして、思った商品を選別できませんでした。

 

当たり前にできたことが、加齢とともにできなくなる…体験してみるとその大変さを、身を似て理解できました。これまで駅の階段などで老人が前をゆっくり上っているのにイライラしていた自分を、ちょっぴり反省した次第です。

 

◆コーディネーターの視点
高齢社会が進行し誰もがいずれこうした状態に近づいてゆきます。これからの社会は若者と老人が手を取り合って生きてゆかないと成り立たない社会になるのでしょう。百聞は一見にしかず!若い人や今は丈夫な方も、この疑似体験をして、老人の不自由さや気持ちを味わってみることは、老人への接し方や福祉環境を考えるのに役立つと思います。今度はJプロのイベントで、是非やってみたいと思いました。
[福祉関連:]


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