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福祉現場やものづくり現場、福祉関連施設やイベント等を訪問して皆さんにご紹介するページです。福祉の現場の声から、気づきやヒントを「コーディネータの視点」で汲み取り、福祉環境の改善へとつなぎます。
訪問日:2011年05月10日  訪問先:ふれあい、たすけあいボランティアグループ「ひまわりの会」

ひまわりの会「ご高齢者や障害のある方々がお困りの時に、少しでもお手伝いできれば私 たちの喜びです」と、病院への送迎や付添、話し相手などのお手伝いをするボランティアグループ「ひまわりの会」。会員数15名、その立場も主婦や退職者など様々、年代も40代~70代と幅広い。毎月第2火曜日に「福祉パルなかはら」で定例会議を開き、活動報告や依頼の割り振りなどをする。

http://www.city.kawasaki.jp/65/65masumasu/masumasu16/masumasu16.html

 

「○日に△さんから、?の依頼があります」という問いかけに「私が行きましょう」と自発的に引き受けるメンバー。「◎さんの依頼は3人で行った方が良いと思うのですが」と言えば「じゃ、私が」と手を挙げる。気持ち良くスムーズに進行する会議を仕切るのは、赤司政美さん。3月にJプロジェクト で行った「福祉フェア」での老人疑似体験の指導者だ。「幅広い活動をしているので年々依頼数が増えている。介護保険から除外された部分がボランティアに回されるので、要支援の方の依頼が多い」と言う。

 

ひまわりの会2昨年の依頼件数は325件。最も多い依頼は送迎だそうで、毎日のように依頼して来る人もいるという、そして次が話し相手だそうだ。認知症の方を相手にした時はどう対応するのか?と聞くと「日本昔話などをして昔のことを思い出してもらうようにする。以前車掌さんだった人が出発進行!前方確認!と生き生きと話し出したりする」とさすがの答えが返ってきた。ダウン症児のドーマン法の運動のお手伝いというのもある。脳に障害のある子どもの四肢を動かすことで脳にパターニングを伝えて脳を活性化させるドーマン法は、家族だけでは難しく、手助けが必要だという。自らも障害児を持ち苦労した経験を持つメンバーが「30年前にひまわりの会があればという思いから活動しています」と支援を続けている。

 

利用者負担は1回2時間までで500円。ガソリン代その他は実費となるが、一人暮らしのお年寄りにとっては、心強いサービスだろう。4階に住んでいるおばあさんからの買い物依頼や、耳の悪いおじいさんの病院への付き添いなど、小さな困りごとに手を差し伸べる「ひまわりの会」の活動は、医療保険制度からも介護保険制度からももれている在宅サービスの穴埋めをしているとも言える。「我々は看護と介護のすきま産業だからね」と笑いながら話すメンバーの穏やかな笑顔が印象に残った。

◆コーディネーターの視点
訪問看護やヘルパーを頼みたいが、制度の対象とはならない人や対象外のサービスがたくさんあるということを改めて実感しました。「ひまわりの会」の皆さんにはいつまでもお元気で活躍してもらいたいなと思う反面、いつまでもボランティアに頼っていて良いのかと言う疑問も浮かびます。現に「持ち出しも多い」などという話を聞くと、行政がもっと彼らをバックアップするべきではないかなと感じました。
[福祉関連:中原区]


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